「ハーブティーは5分」が正解だと思っていませんか? 国によって違う「蒸らし時間」の考え方

ハーブティーは5分。
そう思っている方は多いかもしれません。
でも、私がアメリカで学んだハーバリズムでは、
15〜30分蒸らすことが普通でした。
なぜ、こんなに違うのでしょうか。
アメリカは「抽出文化」
アメリカのモダンハーバリズムでは、
ハーブは「飲み物」というよりも
「体に働きかける抽出液」という感覚が強いです。
背景には、19世紀のエクレクティック医学(※)や
家庭療法の歴史があります。
広大な土地で医師にすぐかかれない環境の中、
自分たちで植物を使って体を整える文化が発達しました。
その流れから、
・できるだけ成分をしっかり取り出す
・量をきちんと計る
・作用を明確にする
という姿勢が育ちました。
だから、「しっかり蒸らす」という考え方が自然に根付いています。
※エクレクティック医学:19世紀のアメリカで発展した、植物療法を中心とした医療の流れのこと。1800年代のアメリカは、 水銀やヒ素などの強い薬が普通に行われていた時代。 それに疑問を持った医師たちが、「もっと穏やかで、安全な植物を使おう」 と立ち上がったのがエクレクティック医学。ハーブを飲み物ではなく「抽出された薬液」として扱い、治療的に使ったという特徴がある。
ヨーロッパは「ティザン文化」

一方、ヨーロッパでは
ハーブは長い間「日常のお茶」として親しまれてきました。
修道院医学の歴史や、
家庭のキッチンにあるハーブの延長としての使い方です。
ドイツやフランスでは
医療用ハーブもありますが、
同時に「香りと味を楽しむ飲み物」としての文化も強いんです。
そのため、
・香りを大切にする
・渋くなりすぎない
・毎日続けられる味わい
が重視されます。
結果として、「短めに蒸らす」というスタイルが一般的になりました。
性格の違いもあるかもしれません
これはあくまで文化的な傾向ですが、
アメリカは
「効果をはっきりさせたい」文化。
ヨーロッパは
「生活に溶け込ませる」文化。
どちらが優れているという話ではありません。
目的が違うのです。
だから、正解はひとつじゃないんです。
では、今日からどうする?

次にハーブティーを淹れるとき、
いつもの「5分」で終わらせる前に、
少しだけ考えてみてください。
今日は何のために飲む?
・しっかり体に働きかけたい日?
→ 少し長めに蒸らしてみる。
・香りでゆるみたい日?
→ 短めにして、湯気を深く吸い込む。
・軽く日常に取り入れたい日?
→ 飲みやすさを優先する。
蒸らし時間は「正解を守るもの」ではなく、
「自分で選べるもの」。
文化の違いを知ることは、
正解を増やすことではなく、
選択肢を増やすこと。
次の一杯は、
目的を決めて淹れてみてください。
それだけで、
ハーブとの関係が一段深まります。
ぜひ今日から意識してみてくださいね。
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