ミントの香りが弱いのには原因があった!香りを強くするには「大胆カット」が効果的
初心者にも育てやすいと言われるミントですが、実際に育ててみるとうまくいかないこともあります。
多くの人が悩むのは「ミントの香りが弱くなること」ではないでしょうか。
私も以前同じことで悩みました。うまく育っているのに、香りだけがなくなる理由が分からなかったのです。
「もう香りは戻らないのかな」とあきらめかけていたのですが、結果的に、香りを復活させることに成功しました。
この方法で、ミントの香りは約3倍強くなりました。
大胆にカットするのは効果がありますが、悲しい見た目になるので、最終手段としておすすめです。
この記事では、あなたのミントは大胆にカットする必要があるのか、少しのカットでも香りは復活するのか、などについて解説していきます。
目次
1.ミントの香りが弱くなる原因3つと解決法
・花が咲いている
・茎が伸びすぎている
・苗が成長しすぎている
2.他にもある!香りを弱くする原因
3.香りを失わないための日々のメンテナンス方法
4.おわりに
1.ミントの香りが弱くなる原因3つと解決法
ミントの香りが弱くなる時には、ミントが次のどれかの状態になっていることがほとんどです。
(1)花が咲いている
(2)茎が伸びすぎている
(3)苗が成長しすぎている
それぞれの原因と解決法を詳しく見ていきましょう。
(1)花が咲いている
なぜ花が咲くと香りが弱くなるの?
ミントの目的はただひとつ。美しい花を咲かせて種を増やすことです。
「香りの強い葉に育ってほしい」という私たちの願いとは裏腹に、ミントは葉の栄養をどんどん花に送り込みます。
ミントの願い通りにきれいな花が咲いたときには、花の下についている葉は栄養のないスカスカな状態になっています。栄養がなければ当然香りもありません。
花が咲いたらどうすればいい?
すでに花が咲いてしまっているのなら、花の咲いている茎をカットしましょう。
カットする長さは、5cm~茎の長さの半分です。花をカットしてしまえば、もう花に栄養を持っていかれることはなくなります。
ミントの花は食べられます。エディブルフラワーとして、料理やドリンクの飾り付けに活用しましょう。
つぼみを発見したらすぐに摘み取る
では、花が咲くまで放っておいても良いのかというと、そうでもありません。
つぼみができた時点で、葉の栄養がどんどんつぼみに送られ始めます。小さなつぼみを発見したらすぐに取り除くのが正解です。
ミントにつぼみができ始めるのは7月ころです。6月末から、つぼみができていないかいつも目を光らせておきましょう。
(2)茎が伸びすぎている
ミントの香りがなくなる2つめの原因は、ミントの茎が伸びすぎていることです。
なぜ伸びすぎると香りが弱くなるの?
ミントの茎が長くなればなるほど、苗全体のサイズも大きくなっていきます。
ミントのサイズが大きいということは、栄養が分散され、香りも弱くなっていくということなのです。
目安は10cm以上
伸びすぎの目安は、10cm以上です。
あなたのミントの茎が10cm以上になったら、ハサミでカットして、7~10cm以内の長さを維持するようにします。
または、もっとシンプルに、鉢からはみ出てきた茎をカットするという方法もあります。
カットは、気が向いた時にいつでも行うことができます。カットした茎についた葉は、お料理に使いましょう。
(3)大きく成長しすぎている
ミントの苗が大きくなりすぎると、葉には栄養と香りがなくなり、繊維質で硬く、食べてもおいしくありません。
ある程度大きい苗のミントには、茎の先をカットするよりも、さらに効果的な香りの取り戻し方があります。
ミントが大きくなりすぎているサインとは?
ミントは大きくなってくると、2種類の茎が生えてきます。
- 柔らかい 緑の茎
- 木のように硬い 茶色の茎
一年目は「柔らかい緑の茎」だけだったミントは、2年目以降、大きくなると次第に「硬い茶色の茎」の方が多くなってきます。
茶色い茎に付く葉は、古くなっているため、香りがほぼありません。
茶色の茎が多くなったら、茎の先の方だけを切っても、香りが戻らない可能性があります。
大きすぎるミントは「大胆カット」で解決
古いミントでも、「大胆にカット」すれば香りが戻ります。2代目、3代目のミントも、この方法でフレッシュさを取り戻せます。
ちなみに「大胆カット」は私が勝手につけた名前です。ガーデニング用語では「切り戻し剪定」と言います。
「大胆にカットする」切り戻し剪定の方法
必要なもの
・はさみ(園芸用 or 普通のもの)
・軍手
1 伸びてきた枝をひと束つかみ取ります。ぐいっと持ち上げて、根本が見えるようにします。
2 根本から5~7cmのところでばっさりとカットします。この時、根本にある芽や小さな葉を数個残すようにカットします。
3 他のミントの茎も同じようにカットしていきます。
4 すべてのカットが終わったら、水をたっぷりとあげて終了です。
※ 理想的な剪定の時間帯は朝です。
切り戻し剪定の効果
私は、大胆カットの切り戻し剪定で、ミントを生き返らせることに成功しました。
剪定前は茶色い葉も多く枯れかけていたのですが、剪定後は、新しく元気な茎が育ち、香りの良い葉も収穫できました。
ピンタレストに今回ご紹介したミントの剪定方法のまとめ画像を載せています。良ければ参考にしてみてくださいね。画像をクリックすると拡大画像が表示されます(ピンタレストに移動します)。
2.他にもある!ミントの香りを弱くする原因
ミントの香りが弱くなる原因は、他にもあります。
肥料の与えすぎ
ミントはやせた土壌でうまく育ちます。
そのことを考えると、ミントに肥料を与えることは「食べ過ぎ」の状態を作ることになり、ミントにとっては過保護すぎます。
「香りが弱い原因が、肥料の与えすぎだった!」という例も良くあるようです。
肥料を与えすぎかどうかは、土の表面に白い塊があるかどうかで判断できます。詳しい情報と、土のリセット方法は「アップルミントの香りが弱い・青臭い原因と解決法」で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
日光が足りない
ミントは日光に当たると、エッセンシャルオイル(香り成分)を作ります。
日光に当たる時間が短いと、ミントがエッセンシャルオイルを作る時間が短くなるので、香りが弱くなることがあります。
いつもより多めに日光に当ててみて、香りが強くなるかどうかを試してみるのもおすすめです。
3.香りを失わないための日々のメンテナンス方法
香りが復活したら、今度は香りを維持するためのメンテナンスをはじめましょう。
成長期のメンテナンス
成長期には、ミントの茎の長さが7~10cmになったら、剪定をします。
剪定の方法は、鉢からはみ出た部分をカットするか、苗の形を整えるようにカットしていきます。
シーズン終了後のメンテナンス
シーズン終了後(夏の終わり)~冬前にかけては、根本から2~3cmの位置で茎をカットします。
これは、ミントを病気や害虫から守るための重要なメンテナンスでもあります。
交雑を防ぐ
ミントを複数育てている場合には、交雑にも注意が必要です。
交雑して新しい種が生まれてしまうと、香りの弱いおいしくないミントができてしまいます。
「交雑させないためには2つのミントを近くで育てない方が良い」とも言われますが、そうとも限りません。私は2種のミントを隣合わせで育てています。
交雑させないためには、隣で育てないということよりも、種を作らせないようにすることの方が大事です。
つぼみの段階でいつも摘み取っておけば、種ができないので、交雑もしません。
ミントが勝手に、庭に繁殖してしまうのを防ぐこともできます。
4.おわりに
ミントは、メンテナンスなしには良い香りを維持したまま成長できない植物です。
とは言っても、メンテナンスは「ただ切るだけ」なので、とても簡単です。
毎日チェックする必要はないので、1ヶ月に1回程度、水やりのついでに、伸びすぎている部分がないかどうかを確認してみましょう。
あなたのミントの香りが戻ったら、次のレシピにもぜひ挑戦してみてくださいね。ミントを育てるのがますます楽しくなりますよ。
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