初心者でも育てやすいハーブ6選と育て方のコツ
スーパーで毎回ハーブやハーブティーを買い続けるのって大変ですよね。かなりの出費になります。
ハーブをよく使うになってきたなと感じたら、思い切ってご自分でハーブを育ててみることをおすすめします。
自家製のハーブは0円です。
いつでもおいしいハーブティーが飲めますし、パスタ料理もグレードアップすること間違いなし!
この記事では、ガーデニング初心者でも安心して育てられるハーブ6選をご紹介します。
育てやすいハーブ6選
ガーデニング初心者にも育てやすく、味もおいしいハーブは上の6つです。
どのハーブの名前も一度は耳にしたことがあるハーブなのではないでしょうか。
ミント、バジル、ローズマリー、タイムはスーパーにも置いている人気のお料理ハーブです。
オレガノはあまりスーパーでは見かけませんが、さまざまな料理に合わせやすいクセのないハーブなので、育てておくとかなり役立つと思います。
ハーブティーをよく飲むという方は、ぜひレモンバームを育ててみてください。レモンの香りのするおいしいハーブで、魅力的な効能をたくさん持っています。
※ これらのハーブをリストにしたものは記事の最後に掲載しています。ぜひメモとしてご利用ください。
ミント
学名:Mentha spp.
科名:シソ科
別名:ハッカ
草丈:10~100cm
種まき時期:4月~5月中旬、9月
収穫時期:3月~11月
適した環境:日なた~半日陰の風通しの良い場所を好む。高温と乾燥に弱い。
水やり:土が乾いたらたっぷりと水を与える。土が完全に乾燥すると枯れてしまうこともあるので注意。
「ミントが庭いっぱいに広がって大変なことになった」という話をよく聞くくらい、ミントは育てやすいハーブです。
ミントは繁殖力が高いので、庭に地植えしてしまうと他の植物を枯らす恐れがあります。庭がある場合でも、プランターで育てるのが無難です。
ミントを育てるときの注意点としては、土が完全に乾燥してしまうと枯れてしまうことです。半分乾いたくらいのタイミングでたっぷり水を与えてあげましょう。
また、ミントは熱さに弱いハーブです。真夏の日光に一日中当ててしまうと「さび病」にかかることがあります。熱い日にはプランターを移動させて「半日陰」に置いてあげるようにします。
スイートバジル
学名:Ocimum basilicum
科名:シソ科
別名:メボウキ、バジリコ
草丈:40~50cm
種まき時期:4月中旬~7月中旬
収穫時期:6月~10月
適した環境:日当たりと水はけの良い場所を好む。寒さが苦手。
水やり:乾燥を嫌うので、土が乾く前に水やりをする。ただし根腐れしやすいハーブでもあるので、土の下に鉢底石を敷くなどして水はけを良くしておくのがおすすめ。
イタリア料理でよく見かけるバジルは、ハーブ栽培の人気No.1です。
香りがよくてツヤのある葉は、インテリアにもなります。
とはいえ、「かなり育てやすい」というハーブでもありません。乾燥を嫌うわりには根腐れしやすいので、その辺の調節には多少気を使います。
バジル栽培が人気の理由には、バジルが日持ちしないということが挙げられます。
一度摘み取ってしまったバジルの生葉は保存するのが難しく、次の日には変色が始まってしまいます。
お店で見かけるバジルも「すでに悪くなりかけている」ものがあったりしますよね。
そのため、バジルは家で育てていつも採れたてを使うというのが無駄のない賢い方法なのです。
バジル栽培に成功すると使い切れないほどのバジルが採れるので、挑戦してみる価値ありです。
レモンバーム
学名:Melissa officinails
科名:シソ科
別名:セイヨウヤマハッカ
草丈:30~60cm
種まき時期:3月中旬~5月中旬
収穫時期:4月~10月
適した環境:日なた~半日陰の肥沃な土壌を好む。夏は直射日光に当てずに半日陰にすること。
水やり:乾燥に弱いので、土が半分乾いた頃に水やりをするのがベスト。夏は特に乾燥するので、朝夕の2回水やりを行うと良い。
ミントの仲間のレモンバームは、葉を軽く指でこするとレモネードの香りがします。
本当にかわいいハーブで、レモンバームがあるだけで庭が華やぎます。
育てるときには、夏に直射日光に当てないこと、土が乾燥する前に水をあげることの2点に注意しましょう。
夏にはハダニにつかれることもあります。その場合は被害を受けた茎ごと切り落として、日陰でしばらく回復を待てばまた復活します。
収穫した新鮮なレモンバームで作るアイスティーは格別ですよ。
オレガノ
学名:Origanum vulgare
科名:シソ科
別名:ハナハッカ、ワイルドマジョラム
草丈:60~100cm
種まき時期:3月中旬~4月
収穫時期:6月~9月
適した環境:日なたの水はけの良い場所を好む。湿気を嫌うので、梅雨の時期は室内か屋根のある場所に移動させておくと良い。
水やり:土が乾燥したらたっぷりと水やりをする。乾燥を好むので、水をあげすぎないように注意。
オレガノは「非常に繫殖力が強い」ことで知られるハーブです。
高温の乾燥した場所を好みますが、寒さにも強いです。
オレガノは庭でも育てることができますが、梅雨の時期に雨に当たりすぎると枯れてしまうこともあるようです。
プランターに植えるようにして、雨の日には屋根のある場所に移動させてあげるようにすると、たくさんのオレガノが収穫できます。
オレガノは、夏にピンク色の花を咲かせます。花は捨てずにサラダのトッピングにするとかわいいですよ。
ローズマリー
学名:Rosmarinus officinails
科名:シソ科
別名:マンネンロウ
草丈:20~200cm
種まき時期:4月~5月、9月~10月
収穫時期:1年中
適した環境:日あたりと風通しの良い場所を好む。寒さに弱いので、冬は室内に鉢を移して育てると良い。
水やり:土が乾燥したらたっぷりと水やりをする。水やりのしすぎで枯れることが多いので、乾燥気味に育てること。
お料理に一番活躍するハーブといえばローズマリーですよね。
ローズマリーを育てていれば、鶏肉やポテト、豚肉料理など、あらゆる料理にいつでもローズマリーの爽やかな香りをプラスすることができます。
ローズマリーを枯らす原因のほとんどは、水のあげすぎ・お世話のしすぎだと言われています。
こまめな水やりはNGです。土がしっかりと乾いたのを確認してから水をあげるようにしましょう。
寒い季節になったら室内の日あたりの良い場所に移しておけば、春に再びぐんぐんと育ってくれます。
水をあげすぎなければ比較的育てるのは簡単ですし、一年中収穫し続けられるので、はじめてのハーブ栽培としておすすめのハーブです。
タイム
学名:Thymus vulgaris
科名:シソ科
別名:タチジャコウソウ
草丈:15~40cm
種まき時期:4月中旬~6月中旬、9月
収穫時期:1年中
適した環境:日あたりと水はけの良い場所を好む。暑さ・寒さには強いが、夏の高温多湿が苦手。
水やり:土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与える。乾燥を好むので水のあげすぎに注意。
タイムは暑さにも寒さにも強く、どんな土地でも大きく丈夫に育つハーブです。
しかしながら、ムシムシとした気候では根腐れしやすいという欠点もあります。
水をやりすぎないように注意し、梅雨の時期は室内の日あたりの良い場所に移しておくと良いでしょう。
収穫したタイムは砂糖水で煮込んでシロップにしておくと、風邪の時期に役立ちますよ。
他にもある!育てやすいハーブ4選
育てやすいハーブは、ご紹介した6つだけではありません。育てやすいとされている他のハーブも簡単にご紹介しておきます。
セージ
肉の臭みを消すのに役立つハーブです。
日陰でもよく育つので、室内でハーブを育てたいという方にぴったりです。夏の直射日光が苦手なので、レースのカーテン越しに日を当てるようにしましょう。
ディル
ふわふわとした羽のような葉を持つかわいいハーブです。
どんな土でもよく育ち、地植えなら基本的に水やりはいりません。鉢植えなら、土が乾いて葉がややしおれるくらいのタイミングで水やりをするのがベストです。
パセリ
日本では一番使いやすいハーブとして定着しているパセリ。
湿った環境を好むので、土が乾く前に水やりをします。熱い場所が苦手で25℃以上になると元気がなくなります。夏は涼しい半日陰に移動させておきましょう。
カモミール
繁殖力の高いハーブのひとつで、小さな白い花が愛らしいカモミール。
寒さに強く、近くに一緒に植える植物を元気する「コンパニオンプランツ」です。
玉ねぎやキャベツの隣で育てると、野菜の風味を増すと言われています。
ハーブ栽培の注意点
ハーブ栽培で大事なことは「育てる前に品種を確かめること」です。
食用と鑑賞用の品種が同じ名前で販売されている、ということはよくあります。
食べられる品種かどうかを事前に確認してから栽培に取りかかるようにしましょう。
品種を確認する方法は次の2つです。
1 販売している種の袋の裏などに「ハーブティーやお料理などに」などという食用と判断できる言葉が書いてあるかどうかを確認します。もし何も書いていなければお店の人に聞いてみます。
2 食用と鑑賞用は学名が異なるので、学名が分かれば品種や用途が判別できます。上でご紹介したハーブの学名を参考に探してみてください。
ハーブの種類がよく分からないときには、遠慮せずにお店の人に聞いてしまいましょう。ハーブの種類に関しては、インターネットで調べるよりも直接聞いてしまう方が手っ取り早いです。
さいごに:ベランダでもハーブ園は作れる!
ハーブ栽培は、庭を持っている人の特権ではありません。
日本でも外国でも、今や多くの人たちがベランダでのハーブ栽培を楽しんでいます。
ハーブが増えてきたら棚などを利用してハーブの鉢を飾り、あなただけのハーブ園を楽しんでみてください。
たくさんのハーブに囲まれて飲むハーブティーは格別です。
ぜひハーブ栽培にチャレンジしてみてくださいね。
育てやすいハーブのリスト
下のイラストに今回の記事内容を短くまとめました。もしよろしければメモ代わりとしてご利用くださいね。
参考文献
『Foraging & Feasting: A Field Guide and Wild Food Cookbook』by Dina Falconi. Illustrator Wendy Hollender
『初めてのハーブ作り 定番50種―上手に育てて暮らしに生かす』by 小黒 晃