カモミールの効能と注意点|ペットへのケア・ジャーマン種とローマン種の違いも解説

カモミールの効能と注意点|ペットへのケア・ジャーマン種とローマン種の違いも解説

いま世界で一番売れているハーブティー「カモミール」。甘く優しい香りが大人気です。

カモミールは、ドイツでは「何でもできるハーブ」と呼ばれています。万能に近い効能を持ち、安全性も高いハーブです。

この記事では、カモミールの効能と注意点、ペットへのケアに使う方法についてご紹介します。

カモミールとは

ドライカモミールドライカモミール

カモミールは、古代エジプト時代から使われていたという古い歴史を持つハーブ(薬草)です。

スロバキアでは「カモミールの横を通りすぎるときには、いつもお辞儀をすべき」と言われていたほど、カモミールは多くの人々の治療に使われ、その実績を残してきました。

カモミールが他のハーブと異なる点は「子供に対して使われてきたハーブである」ということです。

寝つきの悪さ・泣き止まない赤ちゃん・肌の湿疹やかぶれ・腹痛など、子供のあらゆる不調の治癒に活用されてきました。

もちろん、大人にも使うことができます。

ヨーロッパの植物医学では、カモミールは炎症や皮膚炎の治療目的で使う漢方薬として認定されています。

カモミールの効能6つ

ここからは、カモミールの主な効能6つをピックアップしてご紹介していきます。

安眠をサポートする

カモミールティーは、世界で一番多く飲まれているリラックスティーです。就寝前の心の状態を安定させることによって、睡眠の質を高めてくれます。

 研究1

2010年の研究レビューによると、カモミールに含まれる「フラボノイド」と「アピゲニン」という成分が安眠作用を引き起こす可能性があるとのことです。

 研究2

ある実験では、カモミールティーを飲んだ後の10人の心臓病患者が、すぐさま90分間の深い眠りに落ちたことが報告されています。

カモミールの成分がどのように脳へリラックス作用をもたらすかについてはまだまだ研究中のようで、すべては解明されていません。

しかしながら、私はカモミールのリラックス効果を強く感じます。

イライラしたり神経が張り詰めたりして眠れないときには、カモミールティーを1杯飲むと落ち着きます。

眠りの浅い方はぜひ一度、寝る前のカモミールティーをお試しください。

炎症を抑える

カモミールの「炎症を抑える作用」は強力です。

「炎症」というと、「胃炎」「のどの腫れ」のイメージが強いと思います。しかしながら「筋肉痛」「関節痛」などの痛みも炎症の一種です。痛みを和らげるためにもカモミールが役立ちます。

さらに炎症は「アルツハイマー型認知症」や「がん」の原因でもあるので、カモミールを日常生活に取り入れることは、将来起こる大きな病気を防ぐ可能性があります。

がんの予防

カモミールのがん予防効果が研究で明らかになっています。

研究によると、カモミールに含まれる抗酸化物質「アピゲニン」が、がん細胞の発生率を低下させる可能性があるとのことです。

カモミールを医療に用いるにはさらなる研究が必要ですが、三大疾病である「がん」へのカモミールの効果は今後も注目されていくことでしょう。

生理痛を和らげる

複数の研究により、カモミールには生理痛を軽くする作用があることが分かっています。

 研究3

2010年の研究では、カモミールティーを1日2杯・1ヶ月続けて飲むことで、生理痛と不安な気持ちの両方を軽減できたことが報告されました。

鎮痛剤ほどの強い効果はありませんが、薬を飲めない期間の痛みには役立ちそうですね。

心臓の健康を守る

カモミールには、コレステロール値・血糖値を下げる作用があります。

 研究4

2015年の研究では、64人の糖尿病患者に対して、1日3回食後にカモミールティーを飲んだ後の変化が調査されました。結果は、血糖値と総コレステロール値の減少が見られたとのことです。

カモミールに含まれる抗酸化物質には血圧を下げる作用があることも確認されています。

カモミールの心臓に対する効能はまだまだ研究段階ではありますが、コレステロール値・血糖値・血圧の3方向から心臓の健康の維持に役立つ可能性があります。

不安症状を和らげる

カモミールには、不安障害を和らげる効能があります。

 研究5

2010年から2015年までの長期間の研究では、カモミールの長期摂取の安全性が確認されると共に、中程度から重度の全般性不安障害を軽減することが明らかになりました。

不安障害の方は、医療薬とカモミールを同時期に摂取しないようにご注意くださいね。

ジャーマン種とローマン種の違い

ジャーマン種とローマン種の違い

ハーブに使われるカモミールには、2つの品種があります。「ジャーマン・カモミール」「ローマン・カモミール」です。

まずは「品種によって効能や使い方に違いがあるのか」という点について解説していきます。

ジャーマンとローマンはほぼ同じ

効能と香りの面から見ると、実はジャーマン種もローマン種も大きな違いはありません。

 どちらの種にも「カマズレン(炎症を抑える有効成分)」が含まれています。濃度が高いのはジャーマン種です。

 どちらの種も「リラックス効果、抗菌作用、抗真菌作用、抗炎症作用」など、似通った効能を持っています。

 どちらの種もリンゴに似た甘い香りがします。

 どちらの種も安全の高い薬用ハーブです。

ジャーマンもローマンも効能はほぼ同じなので、同じような使い方ができます。

とはいえ、あえて違いを言うなら、ジャーマンとローマンは次のような使い分けができます。

ローマン・カモミールは「お肌のケア」に

ローマンカモミール

ローマン種の特徴

ローマン種は多年生植物なので、数年にわたって楽しむことができます。(ジャーマン種は1年で枯れます)

ローマンの特徴は、背が低く横に広がるように育つこと。成長しても30cmほどまでしか育たないので、イギリスでは「地球にやさしい芝生」としてローマンカモミールを庭の一面に植えることが多いです。想像するだけで素敵な光景ですね。

ジャーマン種と見分けるには、花床(かしょう・花の中央の盛り上がった黄色い部分)の中が空洞になっているかどうかをチェックします。ジャーマン種は中が空洞で、ローマン種には空洞はありません。

ローマン種の使い方

ジャーマン種よりも多くの花を咲かせないことから、ローマン種はハーブティー向きではないとされています。

さらに味の方も、ジャーマン種よりも苦味が強いです。ハーブティーよりもハーブの化粧水やハーブバスに使うことをおすすめします。

ジャーマン・カモミールは「ハーブティー」に

ジャーマン・カモミール

ジャーマン種の特徴

ジャーマン種は一年生植物で、空へ向かって真っ直ぐと伸びます。
1年で枯れてしまいますが、繁殖力が強いです。
一部の花を収穫せずに残しておけば、特に何もしなくても次の年に再び芽が生えてきます。

ジャーマン種は「カマズレン」という有効成分を多く含むため、炎症を抑える作用はローマン種よりも強いです。

ジャーマン種の使い方

ジャーマン種は花をたくさん咲かせるため、ハーブティーにおすすめです。
カモミールティーに使われるのは花の部分だけなので、開花したらどんどん摘み取っていきましょう。

またローマン種よりも苦味が少ないので、ハーブティー以外にも活用されています。クッキーやゼリー、アイスクリームなど、お菓子作りに利用してもおいしいです。

もちろん、ジャーマン種でハーブ化粧水をつくったりハーブバスにしたりという使い方もしても問題ありません。

カモミールの注意点

カモミールの注意点

ここからは、カモミールの注意点についてご紹介します。

カモミールの安全性

 キク科アレルギー以外の人は安心

カモミールは、数あるハーブの中でもかなり安全度の高いハーブです。
カモミールでアレルギーが起きることはごくまれです。

カモミールでアレルギーが起きる可能性が高いのは、ブタクサなどのキク科植物へのアレルギーを持っている人です。

キク科アレルギーの人以外はカモミールでアレルギーを起こすことはかなり少ないと言われていますが、ハーブに敏感な方や虚弱体質の方は、念のため注意して摂取してください。

妊娠中・授乳中の飲用

 カモミールは妊娠中・授乳中ともに飲用することができますが、注意が必要です。

妊娠中のカモミールティーは控えめに、妊娠初期はカモミールを含めたすべてのハーブを使用しないことをおすすめします。

授乳中のカモミールの使用に関してはOKとされているものの、研究で安全性が証明されたわけではありません。
心配な場合は、念のため避けておきましょう。

子供に与えてもいい?

 カモミールは、子供や乳児に与えても安全とされているハーブです。

ただし乳児に与える場合には、7か月を過ぎてから、母乳を介して与えるようにしてください。

また子供に与える場合には、アレルギー・副作用などが現れていないかどうかに気を配るようにしましょう。

カモミールでペットをケアする

カモミールでペットをケアする

最近は、カモミールをペットに使う人が増えてきています。

カモミールには抗酸化物質やフラボノイドなど、ペットのストレスや病気に有効に働く成分が含まれています。

ここでは、犬・猫にカモミールを使う場合の注意点をご紹介します。

カモミールは犬猫に安全?

カモミールは、犬・猫に安全に使うことができます。

ペットに対しての効能は次の通りです。

 ペットへのカモミールの効能

 ・胃のむかつき(食後に興奮するときになど)
 ・寄生虫の予防
 ・皮膚の炎症・かゆみ
 ・不安の軽減

ペットへのカモミールの使い方

ペットへのおすすめの使い方は「カモミールティーにして与える」という方法です。

ペットへ与えるときには「カモミールティー」がおすすめ。成分が希釈されているので安全性が高いです。

ストレスや便秘の緩和には、少量のカモミールティーを飲ませます。与えるティーの量は、平均的な猫のサイズで小さじ1/2ほどが目安。

肌の炎症を起こしている場合には、常温に冷ましたカモミールティーをコットンに含ませ、優しく塗布してあげましょう。

カモミールティーを綿棒に含ませると耳掃除にも使うことができます。

ペットに与える場合の注意点

 直接食べさせない

フレッシュカモミールを直接ペットに食べさせると、精油の濃度が高すぎる上に、どのくらい食べたかが分かりづらくなります。

カモミールは乾燥させて、ハーブティーとして飲ませてあげましょう。

 長期的には与えない

カモミールの長期摂取は、副作用が起こる確率を高めます。特に不調がないときには、カモミールをむやみに使用しないことをおすすめします。

 猫は注意

猫がカモミールを摂取すると、まれに出血性疾患を引き起こす可能性が指摘されています。事前に獣医と相談すると安心です。

 常に様子を観察する

ペットに与えた際に、下痢や嘔吐、食欲不振、口の周りの皮膚が荒れるなどの異常が見られた場合には、すぐに使用を注意します。

 獣医に相談する

カモミールはペットにとっても安全なハーブですが、一部のペットはカモミールに対してアレルギーを持っています。

カモミールを与える前には、念のため獣医に相談することをおすすめします。

終わりに

フレッシュ・ドライにかかわらず、カモミールは色々なことに活用することができます。

カモミールティーはもちろんのこと、お風呂や化粧水などにも活用してみてくださいね。