シンプルで簡単!基本のブーケガルニの作り方|上手な使い方と単独ハーブのレシピも解説
ときどき外国料理のレシピで見かける「ブーケガルニ」。
自宅にないからといって省略していませんか。
ブーケガルニは一見手間がかかりそうに見えますが、実は簡単です。
1種類のハーブからでも作ることができます。
ブーケガルニをスープやシチューに加えると、とってもおいしくなります。
びっくりしたのが、ブーケガルニを使うと「コンソメの素」「鶏がらスープの素」などの化学調味料を使わなくてもおいしいスープが完成するということです。
スープには必ず「〇〇の素」を入れないといけないと思っていた私にとって、これは衝撃でした。
スープ以外にも、お値段の張る牛肉や豚肉のかたまり肉を煮込むときにも、ブーケガルニをおすすめします。
むしろ、使わないと食材に使ったお金がもったいないと思います。
ブーケガルニを使うと、食材の臭みを消すと同時に、食材のうまみを引き出してくれます。
この記事では、おいしくて実践しやすい、シンプルなブーケガルニのレシピをご紹介します。
ぜひ普段の食卓に取り入れてみてくださいね。
01| ブーケガルニはシンプルに
02| 基本のブーケガルニの作り方
03| ブーケガルニの使い方
04| ブーケガルニの保存法
05| 1種類のハーブで作るブーケガルニ
06| ブーケガルニにプラスするなら?
07| さいごに
ブーケガルニはシンプルに
「ブーケガルニって色々な材料が必要だし、そろえるのが大変そう」
と思いますよね。私もそう思います。
実際のところ、巷のブーケガルニのレシピを見てみると「タイムにローリエ、マジョラムにネギの皮に粒コショウに・・・」と、たくさんの材料がリストアップされています。
私はこんなにたくさんの材料は集められないので、不要なものは省いて、本当に必要なハーブだけでブーケガルニを作っています。
私のブーケガルニの組み合わせは次の通りです。
シンプルなブーケガルニの組み合わせ
・パセリ
・タイム
・ローリエ
ブーケガルニは本来、とてもシンプルなものです。
色々足さなくても、上の3つの組み合わせだけで料理は美味しくなります。
なぜパセリ、タイム、ローリエなの?
上でご紹介したブーケガルニのレシピは、私が考えたものではありません。
フランスの伝統のレシピです。
おそらく昔のフランスのシェフが、自分の舌と感覚を使って、何度も試作を繰り返して作り上げたのだと思います。
昔の人がすでにおいしい組み合わせを考えてくれているので、私たちはそれに従うだけで良いのです。
現在のブーケガルニも「パセリ、タイム、ローリエ」の3つを基本として、そこにプラスアルファの1~2種類の別のハーブを加える、という形で料理に活用されています。
つまり、パセリ、タイム、ローリエがあれば、ブーケガルニとしては十分なレベルなのです。
3つそろわない場合はどうすればいい?
ブーケガルニは「ブーケ=花束」という言葉からも想像できるように、基本的には生のハーブの束を使います。
とはいえ、生のハーブがたくさん手に入らない!という方が圧倒的に多いと思います。
その場合には、ドライハーブを使ってみてください。
ドライローリエはそのままスープに投入できますし、ドライパセリやドライタイムなら、お茶パックに入れて使えばOKです。
また、基本のブーケガルニをそれぞれ単独で使うこともできます。
「1種類のハーブで作るブーケガルニ」の作り方は記事後半でご紹介しますのでお楽しみに。
基本のブーケガルニの作り方
Ingredients ー材料ー
※できあがりの量 スープ1L分/4~5人分
・パセリ(フレッシュハーブ)… 2枝
・タイム(フレッシュハーブ)… 1枝
・ローリエ(フレッシュ、またはドライ)… 2枚
・タコ糸
※ パセリは茎だけのものでも使うことができます。茎だけの場合は量を3~4本に増やしてください。
※ フレッシュローリエはなかなか手に入らないので、なければドライのものを使ってください。
Instructions ー作り方ー
1 パセリとタイムの長さを5~6cmにそろえます。ローリエは結びづらいので、束とは別にしておきます。
2 花束をつくるように、パセリとタイムの茎をそろえて持ちます。ハーブを持っていない方の手でタコ糸を茎にグルグルと5~10回巻き、きつく結びます。
3 ブーケガルニを使うときには、パセリとタイムの束と、ローリエ葉2枚を一緒に入れます。ローリエは取り出しやすいので、束に含めなくても問題ありません。
レシピのポイント
ひもの結び方
火が通るとハーブが縮むので、タコ糸はきつく結びましょう。
私は10回くらいグルグルと巻いていますが、2~3回でも問題ありません。
巻くときには、写真のように少しずつ下にずらして細長く巻くようにすると、ハーブがずれにくくなります。
私はタコ糸を切らしていたので、急きょ刺繡糸で結びました。調理していても問題はありませでしたが、やはり結びづらいですね。
ミニサイズでもOK
ご紹介したレシピは、1リットル分のスープを作るときの量です。だいたい4~5人分です。
家族が少なくてそんなにスープを作らないという場合には、ミニサイズのブーケガルニを作ってみてください。
上の写真のサイズで、400~500mlのスープ用です。
このまま、白身魚のホイル焼きの中にポンと入れて使ったりもできます。
パセリについて
写真ではイタリアンパセリを使っていますが、普通のパセリ(クルクルとカールしたパセリ)を使っても問題ありません。
普通のパセリを使うと少し風味が濃くなりますが、大きな味の違いはありません。
ブーケガルニの使い方
ブーケガルニは主に、スープやソースに浸して使います。食材と一緒に蒸らして香りづけにも使うことができます。
ブーケガルニを使う料理
・オニオンスープ
・コンソメスープ
・ポトフ
・カレー
・ビーフシチュー
・ホワイトシチュー
・魚のホイル焼き
・肉や魚の蒸し焼き
・トマトソースのパスタ
・ラタトゥイユ
・その他煮込み料理など
ブーケガルニをスープに使う方法
1 スープに具材を入れて沸騰したタイミングでブーケガルニを加えます。菜箸などでブーケガルニを完全にスープに沈めたら、火を弱めます。
2 そのまま10分ほど具材と一緒に煮込んだら、ブーケガルニを取り出します。その後、お好みでスープの素(コンソメ、鶏ガラなど)を足します。
3 ビーフシチューなど長時間煮込む料理の場合は、仕上がる10~15分前にブーケガルニを投入してください。
4 ブーケガルニ自体は食べられないので、最後に取り出すことをお忘れなく
使い方のポイント
長時間浸しておかない
ブーケガルニを取り出すタイミングは、食材とブーケガルニを一緒に10~15分煮込んだあとです。取り出すのを忘れて放置しておくと、ハーブから苦味やえぐみがしみ出してきて料理の味が台無しになりますのでご注意くださいね。
スープの素はいつもよりも少なく
ブーケガルニを使うと、ハーブの出汁が出ているため、スープの素を加えなくてもおいしいスープが完成します。
とはいえ、スープの具材によっては、どうしてもハーブだけだと物足りない味になることもあります。その場合は、ブーケガルニを取り出した後にスープの素を足してみてください。
私の場合、スープの素の量はいつもの半分ほどで済むことが多いのです。味見をしながら調節してみてくださいね。
ブーケガルニの保存法
ブーケガルニは使う直前に束ねて使います。
基本的には保存はしません。
とはいっても、一般家庭ではどうしても保存しないと厳しいですよね。
おすすめの保存法をご紹介します。
冷蔵保存 1週間
ブーケガルニの茎の先に濡れたキッチンペーパーを巻き、ジップロップに入れておきます。ジップロップは2~3cmあけて空気を通しておいてください。2日おきに確認して、キッチンペーパーが乾燥しているようなら再度湿らせます。
関連記事 ハーブの保存方法まとめ
冷凍保存 3か月
ブーケガルニをそのまま冷凍してしまうと、香りが弱くなります。そこでおすすめなのが、ブーケガルニを水と一緒に製氷皿に入れて氷にする方法です。ブーケガルニは長さがあるので、100円ショップにある「ペットボトル用の製氷皿」を使うと良いでしょう。
関連記事 ハーブの冷凍保存法
1種類のハーブで作るブーケガルニ
たくさんのハーブを自宅で育てている方でない限りは、ブーケガルニ用のハーブをすべて集めるのはなかなか大変だと思います。
そんな時には、1種類のハーブを使ったブーケガルニ(ブーケ・サンプルと言います)を使ってみましょう。
基本のブーケガルニであるローリエ、タイム、パセリを1つずつ使う場合にはどうすれば良いのかをご紹介します。
ローリエだけのブーケガルニ
ブーケガルニの用のハーブがそろわなければ、ローリエさえあれば大丈夫です。
ローリエは煮込み料理には欠かせないハーブです。「煮込み料理にはとりあえずローリエ」という風に覚えておいてくださいね。
我が家では、カレーを作るときには必ずローリエだけは入れるようにしています。保存がしやすいので、常備ハーブのひとつになっています。
ローリエのブーケガルニ
ローリエはポトフやシチューなどの煮込み料理にぴったり。香りにクセがなく、どんなハーブやスパイスとも相性が良いです。野菜・魚介・肉とよく合う。
タイムだけのブーケガルニ
魚の蒸し料理など、臭みが気になる料理にはタイムのブーケガルニを使いましょう。
タイムの香りはクセがあって強めなので、魚の臭みもしっかりと消してくれます。
また香りの持続力が長いので、長時間煮込むお肉の料理なんかにもぴったりです。
タイムのブーケガルニ
爽やかで強い香り。魚や鶏肉などの臭みのある食材や、かたまり肉の料理のような長く煮込む調理におすすめ。香りが強めなので、使うときの量はやや少なめに。
パセリだけのブーケガルニ
パセリはスープやパスタの隠し味にぴったりです。バジルやローズマリーがないときには、パセリで代用すれば美味しいトマトソースが作れます。
パセリは香りが控えめなため、他のハーブよりも気軽に使うことができます。
葉も茎も柔らかで、香りが移るまでの時間が早いです。単独だと苦味が際立ってしまうことがあるので、パセリはさっと短い時間で使うのがおすすめです。
通常のブーケガルニは10分煮込みますが、パセリだけの場合は6~7分で引き上げるとちょうど良いと思います。
パセリのブーケガルニ
クセがなく香りが穏やかなため、どんな料理にも使いやすい。野菜・肉・魚介と、どんな食材とも相性が良い。火が通りやすいので、通常のブーケガルニよりもやや早めに引き上げるのがおすすめ。
ブーケガルニにプラスするなら?
ブーケガルニを使うのに慣れてきたら、少し強めの香りのハーブも加えてみましょう。
というのも、鶏肉や豚肉などの油の多い食材を使う場合だと、ブーケガルニの香りが負けてしまうことがあるからです。
「油の多い食材には、香りの強いハーブを使う」
と覚えておくと便利ですよ。
鶏肉・豚肉の料理におすすめのハーブは次の2つです。
ブーケガルニにおすすめ:ローズマリー
鶏肉と相性がぴったりのローズマリーは、肉料理に特化したブーケガルニにおすすめです。鶏肉だけではなく、豚肉の料理にもぜひ使ってみてください。
イタリア料理に使われるハーブなので、パスタソースとの相性も抜群です。
ブーケガルニのハーブとしては、ローズマリーが一番香りが強いです。
濃厚ですっきりとした香りがします。
他のブーケガルニは「ほんのり香っている」くらいなのですが、ローズマリーを入れると「ハーブが入っているね」と言われるほど、しっかりとした香りがします。
とはいっても、苦味があるとかクセが強いという感じでもなく、とてもおいしいです。
使う量の目安は、1リットルのスープにローズマリーの小さめの枝を1/2~1本ほどです。
クセの強いお肉、少し時間の経った臭みのあるお肉を使うときには、ローズマリーがおすすめです。
ブーケガルニにおすすめ:セージ
ローズマリーよりも香りのバランスが良く、爽やかな中にもほんのりとした甘い香りを持つのがセージです。
セージは豚肉との相性が良いです。豚のかたまり肉を煮込むときには、セージ入りのブーケガルニを加えると美味しく仕上がります。
私はホワイトシチューやビーフシチューにもセージを加えています。その理由は、香りが悪目立ちしないのに、しっかりとコクを出してくれるからです。
使う量の目安としては、1リットルのスープにセージの葉を2~4枚です。
お肉がたっぷりのスープなら、コンソメの素などを加えなくても、塩こしょうだけでおいしく仕上がります。
さいごに
もしあなたに「ブーケガルニを使ってみようかな…」と少しでも思っていただけたのなら、とてもうれしく思います。
和食を作るときにカツオだしや昆布だしを入れるように、洋食を作るときにはぜひブーケガルニを使ってみてください。
食材を高級にしたり、料理の技術を磨いたりする必要もなく、ただ加えるだけでお料理をグレードアップしてくれるブーケガルニは、とても合理的で簡単な方法です。
「料理の魔法」とも呼ばれるブーケガルニ。
どんどんブーケガルニを活用して、市販のスープの素には出せない自然のうまみを楽しんでくださいね。
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