ブラックコホシュは更年期障害に効く?研究結果から見るブラックコホシュの効果と副作用
更年期障害に良いとされるブラックコホシュの効果と副作用について、研究結果を元にまとめました。
目次
ブラックコホシュとは
- ブラックコホシュ(Black Cohosh)
- 和名:アメリカショウマ
- 学名:Actaea racemosa
ブラックコホシュは、キンポウゲ科の多年生植物です。北アメリカ原産で、夏になると白い花をつけます。
ネイティブアメリカン(アメリカ先住民)は、ブラックコホシュを何世紀も前から使ってきました。生理不順、更年期障害の治療、そして、出産時の薬として使用していました。
1950年代以降から、様々な研究では、ブラックコホシュが更年期障害に何らかの利点をもたらすということを示してきました。
ブラックコホシュは、内分泌系に作用する強力な化学物質を含んでいます。
しかし、その化学成分がどのように作用し、どのように症状を和らげるのかという研究はまだ途中段階です。
よって、ブラックコホシュが更年期障害に効くという決定的な科学的根拠はまだありません。
しかしながら、ブラックコホシュはアメリカ、オーストラリアでは幅広く使われているハーブです。ドイツ政府はブラックコホシュをホルモン療法の代替処方として承認しました。
ブラックコホシュはどんな症状に効くの?
ブラックコホシュは、更年期障害の症状全般、月経前症候群(PMS)、月経痛、骨粗しょう症、妊婦の分娩開始時に使う薬として使われてきました。
他には、不安・うつ、関節痛、風邪の症状(発熱・のどの痛み・咳)にも効果がありますが、最近ではこの目的で使われることは少なくなったようです。
また外部使用では、ブラックコホシュは直接肌に塗ると、ニキビやイボの除去、ほくろの除去に効果があるとされています。
ブラックコホシュが軽減するとされる更年期の症状
- ほてり
- 過度の発汗または寝汗
- 膣組織の弾力性と乾燥
- 性交中の痛み
- 睡眠障害
- イライラ・怒りっぽいなどの気分の変化
- モチベーションの低下
- 動悸
- 耳鳴り
- めまい
- 閉経後女性の骨密度低下
- 閉経後女性の心疾患
- 閉経後の女性の精神的能力の低下
ブラックコホシュは本当に効果があるの?
2010年に行われた研究結果によると、更年期の女性がブラックコホシュのサプリメントを使用すると、寝汗がほてりが26%減少したと示されています。
2013年の研究では、ブラックコホシュを服用している人は、プラシーボ(偽薬)を服用している人よりも、更年期の症状が軽減するということが分かっています。
2017年の研究では、卵巣のない雌ラットを使った実験で、ブラックコホシュがほてりを軽減する可能性が示されました。
これらの研究結果から分かることは、ブラックコホシュが効く女性もいるが、効かない女性もいて、それを分ける原因はまだ分かっていないということです。
どちらにしろ、自ら実際に試してみないと、自分に効くのかどうかは分からないということのようです。
ブラックコホシュの副作用は?
作用のあるハーブというのは、たいてい副作用がセットになっています。
ブラックコホシュは、長年目立った副作用もなく安全なハーブだとされていますが、やはり副作用や禁忌はあります。
私たちはついつい忘れがちですが、風邪薬・頭痛薬など身近な医療薬にも副作用はあります。
ハーブを必要以上に恐れるのではなく、副作用をきちんと理解した上で使用していきましょう。
1.長期服用はしない。上限は1年まで。
冒頭でも書いたとおり、ブラックコホシュがどのように体に作用するのかということすらまだ不明なので、副作用についての研究も、もちろん途中段階です。
ブラックコホシュに関する研究のほとんどでは、服用期間は6ヶ月~1年未満でした。つまり、1年以上の長期服用についてはまだ研究されていないということです。
安全のためには、ブラックコホシュを1年以上摂取するのはおすすめできません。
2.乳がん・子宮がんの経験のある人は服用しない
エストロゲンのように作用するブラックコホシュは、乳がん・子宮がんのリスクの高い人には、そのリスクをさらに高める可能性があります。
短期間の摂取(6ヶ月以内)であっても、乳がん・子宮がんの経験のある人は、医師に相談してから使用することをおすすめします。
また、乳がん・子宮がんの経験のない人でも、同じくリスクを上げる可能性があります。これは、ホルモン補充療法でも同じことが言えます。
3.ホルモン剤と併用しない
ブラックコホッシュは、経口避妊薬、ホルモン療法、またはタモキシフェン(ホルモン療法に使われる薬)と組み合わせてはいけません。
4.妊娠中や授乳中には使用しない
ブラックコホッシュは、妊娠中や授乳中には使用しないでください。妊娠している可能性がある場合にも、ブラックコホッシュを服用しないようにしてください。
5.不調が出たらすぐに使用をやめる
ブラックコホシュを過剰摂取量すると、めまい、頭痛、吐き気、嘔吐、視覚障害、循環障害が起こる可能性があります。適量を守りましょう。
また、ごくまれなことですが、適切な量を摂取していても、気分が悪くなる、疲れやすくなる、肌や白目が黄色くなるという兆候が見られる場合があります。
これは、肝障害の前兆の症状です。もしそのような兆候が見られた場合は、すぐにブラックコホシュの使用を中止してください。
この記事のまとめ
ブラックコホシュは、ホルモン療法よりも体に優しく、自然にホルモンのバランスを調節する力を持っています。
辛い更年期障害と闘うためには、まずは短期間(6ヶ月以内)から取り入れてみて、様子を見るのがおすすめです。
- ブラックコホシュは、更年期障害に効くが、効かない人もいる。
- エストロゲンと同じ働きをするため、副作用に注意すること。
- ブラックコホシュを摂取している時は、いつも以上に体調の変化に気を付けること。
- 1年以上の長期服用は避けること。
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